地球は自転することで太陽が動いて見えるというのは周知の事実。
それならば、東にある地域の方が早い時刻に日の出を迎え、また日の入りを迎えることになります。
東京よりも東に位置する札幌は、当然東京よりも早い時刻に日の出と日の入りを迎えると思っている方は多いのではないでしょうか。
しかし、それがそうとも限らないのです。
すなわち、札幌は東京よりも遅い日の出を迎える日と、遅い日の入りを迎える日があるのです。しかも、思った以上に長い期間。
国立天文台 各地のこよみ より、2022年を例に挙げると、札幌が東京よりも日の出が遅くなる期間は、2月27日までと10月16日以降です。(2021年10月~2022年2月27日までと、2022年10月16日~2023年2月までとなります)
地域 | 2月27日 | 10月16日 |
---|---|---|
札幌 | 6時15分 | 5時49分 |
東京 | 6時14分 | 5時48分 |
また、札幌が東京よりも日の入り(日没)が遅くなる期間は、4月8日~8月4日までです。
地域 | 4月8日 | 8月4日 |
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札幌 | 18時09分 | 18時07分 |
東京 | 18時08分 | 18時06分 |
少々難解になってしまいましたので、シンプルに考えることとします。札幌と東京の夏至・冬至の日の出・日の入り時刻、昼の時間を比較してみます。
2022年夏至6月21日の日の出・日の入り時刻
地域 | 日の出 | 日の入り | 昼の時間 |
---|---|---|---|
札幌 | 3時55分 | 19時18分 | 15時間13分 |
東京 | 4時25分 | 19時00分 | 14時間35分 |
夏の日の入りは、東京より東に位置する札幌の方が遅くなる逆転現象が見られ、昼の時間も札幌の方が38分長くなります。
2022年冬至12月22日の日の出・日の入り時刻
地域 | 日の出 | 日の入り | 昼の時間 |
---|---|---|---|
札幌 | 7時03分 | 16時03分 | 9時間00分 |
東京 | 6時47分 | 16時32分 | 9時間19分 |
冬の日の出は、東京よりも東に位置する札幌の方が遅くなる逆転現象が見られ、昼の時間は札幌の方が19分短くなります。
なぜこのように、札幌の日の出や日の入りの逆転現象や昼の時間が大きく変化するかというと、札幌の緯度が高いからです。札幌の方が北極に近く、地球の地軸が太陽に対して23.4度傾いていることから生じるのです。
北欧地域などで日が沈まない白夜が有名ですが、同じ原理で緯度が高い地域ほど夏季と冬季の昼の時間の長さの変化が大きくなるのです。
関東辺りから西方面で生活している人が札幌(北海道)で暮らし始めると、日の出、日の入り、昼の長さ、夜の長さの違いから、生活に違和感を覚える人も多いことと思います。例として、札幌では夏至の辺りで日の出が3時55分となるので、3時30分頃には明るくなり始めているため、遮光カーテンが必要になったりします。
この辺りの知識は持って置くに越したことはないですね。