北海道で暮らすときの豆知識

北海道 雪道

 長期出張や引っ越しなどで新たに北海道で生活し始めるときに、そしてレンタカーを借りての旅行などで北海道に滞在するときに、知っておきたい豆知識をご紹介します。

 私は北海道外出身なので、北海道出身の方には案外気付きにくいことにも気付いているのかなと思っています。北海道出身の人にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。

1.北海道の交通事情

 首都圏と比較して、北海道で車を運転する人は、安全運転をする人が多いです。これは身を持って感じます。例えば、信号のない交差点や、駐車場から車道へ出る車が歩行者を見つけると、歩行者目線では車が先に行って貰っていいと感じる距離でも、止まって待っていてくれます。

 これは恐らく、冬季に雪道で歩行者を急かして、転ばせてしまうことを防ぐために歩行者優先で待つ習慣が、夏でも行われているように感じます。歩行者に対してとても優しい運転は、雪国北海道ならではだなと思ったりします。

 道外出身の方は、冬はもちろんのこと、夏でも歩行者優先で譲り合いの気持ちを持って安全運転を心がけるようにしましょう。

 北海道の道路の幅は広いので、夏季の運転はしやすいです。なぜ道幅が広いのかというと、冬季に雪が降り、道路に積もった雪を車道の端に除雪して山積みにするためのスペースになっているからです。

 夏季は運転しやすいと言いましたが、冬季は道に雪が積もっていることも多く、山積みになった路肩の雪で道幅が狭くなり、歩道の見通しも悪くなるので安全運転が求められます。また、冬季は小型車でも4WDが無難です。住宅街でも轍(わだち)ができて走りにくかったり、まれに山道などで大雪にあうとホワイトアウトすることもあるので、4WDだと心強いです。

 また、札幌でも10月末頃に初雪が降り、4ヵ月程は積雪が続くこともあり、バイクに乗る人は少ないのです。なので、車の運転手もバイクへの警戒心が低いように感じます。もしもバイクに乗るときは、右折車には特に注意しましょう。また、車を左側から追い越すすり抜けは交通違反ですし、こういったことをすると車のドアが突然開いたり、左折で巻き込まれる危険性も高いため慎みましょう。

2.北海道の住居

 物件を探すときに、洗濯ものやふとんを干せるように、大きなベランダがある物件を優先したい人も多いと思います。しかし、北海道の戸建て住宅、マンションやアパートなどの集合住宅ともにベランダがなかったり、小さい物件が多いのです。

 その理由は、そもそも冬場は凍ってしまうため外に洗濯物を干すことができず、部屋は常に暖房により乾燥しています。夏場も北海道のカラッとした湿度の低い気候により、部屋干しでも問題が生じないのです。冬季はベランダにも雪が積もるので、不要と考える人も多いのかもしれません。

 北海道の住宅は2重窓だったり、断熱もしっかりしていることが多いので、関東辺りの古い木造一戸建て住宅よりも冬場の室内は暖房なしでも温度が下がりにくいというメリットもあります。

 更に、集合住宅を選ぶときに、角部屋を避けるというのも一つの手です。通常、角部屋は風通しも良く、方角によっては日当たりも良いため、日中は暖かいというメリットもあります。しかし、冬季の断熱という点においては、上下左右に部屋があることで、隣接した人たちが暖房を使うと自分の部屋も温度が下がりにくくなります。

 一方で、北海道の冬場の日はとても短いため、日光は貴重です。よって、南西の日当たりの良い角部屋は日中の室温も上がりやすく、快適に過ごすことができます。しかし、夏の日はとても長いという特性があり、夏場の夕方の西日は強いとも言えます。これらのメリット・デメリットを考慮して、自分に合った物件を選ぶと良いと思います。

もう一つ注意が必要なのは、冬場の深夜に除雪車が作業をするということです。午前3時、4時に大型重機が回転灯を回しながら騒音をたてます。山側や日本海に近い北側など雪が多い地域で、除雪車が入りやすい駐車場が横にある物件などは特に注意が必要です。対策としては、雪が少ない地域や高層階の物件を選ぶというのもありだと思います。

 これらを考慮して、好みの物件を選ぶと良いと思います。

3.北海道の害虫

 北海道外では、一般家庭や飲食店でゴキブリを見ることは珍しくありませんが、北海道では見かけることがありません。逆に北海道での生活に慣れてしまうと、北海道外でのゴキブリ耐性が低くなり、苦労することでしょう。また、山などへ行くと蚊はたくさんいますが、都市部で蚊にさされることは稀です。
 一方で、山などでは思いもよらないことに注意を払う必要があります。一つ目はマダニです。マダニは日本全国にいますが、北海道の野山にもいます。子どもの頃、神奈川の野山を半ズボンで駆け回っていましたが、マダニに噛まれたことはありませんでしたが、北海道では数回野山に入っただけで噛まれました。油断できません。ちなみに、マダニは家の中にいる目に見えないダニではなく、吸血前で3~8ミリメートル、吸血して満腹になると膨らんで10~20ミリメートルにもなる大きなダニです。野山に入る時は、特に足の肌の露出は控えるようにしましょう。

 もう一つは、エキノコックスです。エキノコックスは主にキツネにつく寄生虫です。キツネの糞にいる寄生虫で、口にすると人間も感染してしまいます。特に気を付けた方が良いのが、湧水などの生水の飲水です。大自然の冷たい湧水はそのまま飲みたくなりますが、エキノコックスに罹ってしまうこともあるため、おすすめできません。

 エキノコックスは、感染してもすぐには自覚症状は現れず、数年から10数年の潜伏期を経て、上腹部の不快感や膨満感が現れ、しだいに肝機能障害に伴うだるさや黄疸等の症状が現れるそうです。そして、放っておくと肺や脳に病巣が転移し、命にかかわることもあるそうです。詳細は、こちらをご参照ください。

北海道 エキノコックス症の知識と予防

 北海道で暮らし始めるときは、以上の3点、交通事情、住居、害虫に注意していいただけると良いと思います。

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