5月下旬から6月頃に札幌市内を歩いていると、相当な量の綿毛が飛んでいることに気付きます。一見、タンポポのようにも見えますが、もっと大きくて形も異なります。私も初めて見たときは、なんだろうかと思いました。
実はこの綿毛、ポプラの綿毛(種子)なのです。
ポプラは4~5月頃に開花し、5~6月頃に実がなります。その実の果皮が割れて、中から種子である綿毛が出てくるのです。
札幌中心部では、主に北海道大学構内のポプラ並木や北海道庁旧本庁舎、北海道立近代美術館などから飛んできているようです。北海道大学には、観光で有名な「北大ポプラ並木」があり、晴れた風の強い日にはご覧の通り、たくさんの綿毛が大空へ旅立ちます。
この「北大ポプラ並木」は、明治36年(1903)に植えら、北海道大学のシンボルにもなっており、札幌市時計台、北海道庁旧本庁舎と並ぶ札幌市の観光名所ともなっています。
北海道大学構内には、「北大ポプラ並木」以外にもポプラ並木の老木化に伴い2000年に植樹された「平成ポプラ並木」などが存在し、雪のように積もっている場所も見受けられます。
ふわふわの綿毛を日にかざすと、柔らかな暖かみを感じますね。
ポプラは、ヤナギ科の落葉高木で、高さ約20メートルにもなります。とても高く育ちますが、横には広がらないため独特な形をしており、一見してポプラだとわかります。
札幌市内に限らず、北海道全域でポプラを多く見かけます。特に牧場にあるポプラは北海道らしい風景ですが、これは牧場の防風林に利用するために、明治開拓期に生育の早いポプラが海外から持ち込まれたことによるそうです。
ポプラには雄株と雌株があり、種子である綿毛ができるのは雌株のみです。なので、ポプラの木がたくさんあってもそれが雄株なら綿毛は発生しません。ちなみに街路樹として植えられているポプラの大半は雄株だそうです。
6月頃に札幌へお越しの方は、「初夏の風物詩」であるポプラのファンタジーな綿毛を体験してみてはいかがですか。
【場所】
北海道大学 北大ポプラ並木