道東のオホーツク沿岸、サロマ湖に面したところに湧別町(ゆうべつちょう)があります。北海道の地名はアイヌ語を由来としていることが多いのですが、湧別町の由来もアイヌ語からきており、チョウザメを意味する「ユペ」または温泉の川を意味する(ユーペツ)と言われています。
人口は8000人余りで、主な産業は、漁業、酪農、農業などですが、観光資源として「かみゆうべつチューリップ公園」があります。
かみゆうべつチューリップ公園は、作付け面積7万平方メートルの広大な敷地に、およそ200品種70万本のチューリップが植えられています。
例年、5月1日から6月上旬までチューリップフェアが開催され、チューリップ畑には多くの来園者が訪れます。チューリップの見頃は例年5月中旬から下旬となっていますが、開花時期は天候に左右されるため、下のボタンからライブ映像や開花日記をご確認ください。
色とりどりのチューリップを眺めるだけでも癒されますが、風車がまたオランダの雰囲気を醸し出し、異国にいる気分にさせてくれます。
公園入口の乗り場から園内をぐるっと約12分で一周する電動バス・チューピット号や、チューリップ畑に咲いている花を販売やチューリップ球根予約販売もしています。
かみゆうべつチューリップの歴史
湧別町を拓いた屯田兵に、4.4ヘクタールの土地が無償提供されましたが、農地としてはとても小さいものでした。昭和32年に当時の農業改良普及所長・西川照憲氏により、高収益が見込まれるチューリップが有望とされたことから、湧別町のチューリップの歴史が始まります。
昭和32年春に54戸の農家がチューリップ耕作組合を結成し、オランダからチューリップの球根22種類6万500球を輸入し、栽培が開始されました。昭和35年にはバンクーバー・シアトル・サンフランシスコに輸出されるようになり、昭和35年には生産量(33万球)・輸出量共に全道一となり、昭和40年には22万球を輸出するようになりました。
軌道に乗ったチューリップ栽培でしたが、昭和41年にはオランダの球根の価格が世界市場で下がってしまったため、日本からの輸出も困難になりました。これを切っ掛けに、国内の販売に力を入れましたが、当時はまだ花を楽しむような文化的・経済的な豊かさが育っていなかったため、生産農家が徐々に減少していきました。
生産農家にとっては困難が続きましたが、チューリップへの深い愛着から畑の片隅や自宅の庭に植え続けたそうです。
昭和50年には、かつて屯田兵の集会場と訓練場なっていたの場所に「老人農園」として、小規模ながらチューリップを植付け、現在のチューリップ公園に繋がっています。
このように、自分たちが楽しむことを目的にチューリップを栽培していましたが、国道沿いに広がるチューリップ畑は車で通過する町外の人たちから注目され、毎年春には、自然に人々が集まるようになっていました。
町はチューリップを町花にしようと農園整備に着手し、昭和60年に「チューリップ園」と改名、昭和62年には町の観光開発事業として展望台を兼ねた「オランダ風車型管理棟」を建設しました。また、「1987チューリップフェア」が初開催され、昭和63年4月1日に正式に町立の「チューリップ公園」として指定されました。
現在のチューリップ公園
現在、ゆうべつチューリップ公園の総面積は12.5ヘクタールに広がり、このうち約7ヘクタールに約200品種70万本のチューリップが植え付けられています。また、チューリップの本場オランダや国内の生産地などから毎年新しい品種を導入しています。
(model : カラオケバトル、北海道の純朴娘でお馴染みの 生田瑚桃 さん)
【住所】
北海道紋別郡湧別町上湧別屯田市街地358番地の1
【チューリップフェア期間】
毎年5月1日~6月上旬
【開園時間】
午前8時~午後6時
最終入園は午後5時30分
【入園料】
大人(高校生以上):1日券600円、シーズン券1,000円
小人(小・中学生):1日券300円、シーズン券500円
団体(10人以上):大人 500円、小人 250円
【公式サイト】
湧別町 かみゆうべつチューリップ公園
https://www.town.yubetsu.lg.jp/tourism/enjoy/detail.html?content=358
【お問い合わせ】
かみゆうべつチューリップ公園総合案内所 電話01586-8-7356
湧別町役場商工観光課商工観光グループ(上湧別庁舎)電話01586-2-5866